ロマンティック中欧・ドイツ3ヶ国周遊8日間【ベルヴェデーレ宮殿 美術コレクションを一挙紹介】7日目
世界遺産「ベルヴェデーレ宮殿と庭園」を見学しました。特に「ユディット」に感銘を受けました。本物の絵には、心に訴えかける何かがありますね!
私は「接吻」に感動しました。あんなに官能的な表現ができるなんて、感動✨
ベルヴェデーレ宮殿とは
ベルヴェデーレ宮殿はバロック建築の傑作であり、同時にオーストリアで最も重要な美術コレクションのひとつを展示しています。グスタフ・クリムト、エゴン・シーレ、オスカー・ココシュカなどの代表作も、ここで見られます。
トルコ軍からウィーンを救った英雄プリンツ・オイゲン公の夏の離宮として建設されました。1714年から1723年にかけて建てられた美しい宮殿です。
宮殿は、2つの建築(上宮と下宮)からなり、現在ではギャラリーとして、中世から現代に至るオーストリアの美術作品を紹介しています。
ベルヴェデーレ上宮は「接吻」、「ユディット」を含む世界最大のクリムトコレクションを展示。ベルヴェデーレ下宮はオイゲン公の居城だったこともあり、グロテスクの間、大理石の間、黄金の間などに、オイゲン公の贅沢な嗜好を感じることができます。
ベルヴェデーレ宮殿の入口です。入口を入ると、ベルヴェデーレ庭園が広がります。
早速入ってみましょう!
ベルヴェデーレ宮殿 庭園
こちらの階段を上ると…
いらっしゃい!とスフィンクスの彫刻がお出迎え。胸にさわると幸せになるという言い伝えがあるそう❦
ベルヴェデーレ宮殿も見えてきました!
正面から見ると…美しい佇まい!
もっと近くで見てみると…見ているだけでうっとりしてしまいます♡
左右対称で、美しい宮殿!庭園もキレイ🥀
ベルヴェデーレ宮殿の庭園は、バロック造園技術の最高峰を示すもの!
宮殿の前には、鏡の池が配置され、宮殿のファサードを映し出しています
広い庭園は泉水を配した3つの広いテラスに分割され、上宮と下宮を結んでいます。庭園の一角にあるアルプス庭園はヨーロッパ最古のものです。
それでは早速、ベルヴェデーレ宮殿上宮に入ってみます👋
ベルヴェデーレ宮殿 入場
キラキラ輝く大きなシャンデリアと天井一面に描かれた美しいフレスコ画。ここは豪華な装飾が施された「大理石の間」です。
大理石の間は1955年にオーストリア国家条約が調印された歴史的な場所。
では、順番に絵画を見ていきましょう!ちなみに絵画は写真撮影OKなので、迷惑のかからないようにバシバシ撮っていきます📸
有名なものだけ少し解説をしていきます!
絵画鑑賞start!
「サラエヴォのラテン橋のそば」
フリードリヒ・アロイス・シェーン 1883年
「ウィーンの北西駅への列車の到着」
カールカーガー 1875年
「聴覚」ハンス・マカルト (右)
「視覚」ハンス・マカルト (左)五感より
他には「触覚」、「嗅覚」、「味覚」の作品があります。
「マリー・ブリューニグの肖像」 グスタフ・クリムト(右)
「マグダレーナ・プラハの肖像」ハンス・マカルト(左)
「鏡を見る裸体」
ヘレーネ・フンケ
「ジヴェルニーの庭園」
クロード・モネ
「ペルゴラにて」
マリー・エグナー
「落ち葉」
オルガ・ヴィジンガー=フロリアン
天井一面に描かれたフラスコ画。ヨーロッパ旅行では、フラスコ画をよく見ます!
次は有名画家グスタフ・クリムトの作品を紹介します!
ユディット(グスタフ・クリムト)1901年
クリムト作品の見どころは、絵画の装飾的な構造です。 劇場装飾の仕事から芸術界に名をとどろかせたクリムトは、絵画作品においても豪華な装飾表現を応用しました。 金を潤沢に使用するクリムトの作風は、彫版師で金細工を扱っていた父の影響もあったのかもしれません。代表作「接吻」や「ユディット」など金箔をふんだんに使うロマンティックな絵画作品を多く残す画家なのです。
「ユディット」 グスタフ・クリムト 1901年
女性がまとう官能性を見事に表現したクリムトの絵画。その中でも特に有名な作品の1つが1901年に描かれた「ユディット」。
ある晩、アッシリアの将軍ホロフィルネスが酔いつぶれたところを襲ってその首を切り落とし、味方を救った女性がモチーフとなっています。
切り取った首を抱え、恍惚とした表情を浮かべるユディットが、挑発的な視線をこちらへ向けています。英雄として伝えられる女性を妖艶な姿に描いています。
ユディットはベルヴェデーレ宮殿で人気絵画✨
「家族」
グスタフ・クリムト
「ひまわりのある農家の庭」
グスタフ・クリムト
「フリッツァ・リートラーの肖像」
グスタフ・クリムト 1906年
クリムトのパトロンだったフリッツァ・リードラー婦人がモデル。
女性の顔や手が写実的に描かれているのに対して、椅子や背景などが平面的なのが特徴です。
接吻(グスタフ・クリムト)1908年
「接吻」
グスタフ・クリムト 1908年
クリムト最盛期の46歳頃に制作された彼の代表作。官能的な幸福に陶酔する男女の普遍的な姿を描き、全面にちりばめられた黄金色がその官能性を強調しています。女性に覆いかぶさりこちらに頭を向ける男性と、愉悦の表情を浮かべる女性の姿はどこか盲目的な危うさを感じさせ、クリムトの生きた世紀末の退廃を見事に表現しています。
男女の性愛というそれまでタブーだったテーマを取り上げたにもかかわらず、1908年の美術展で発表されると同時に、オーストリア政府に買い上げられたのもクリムトの絵の偉大さを感じずにはいられません!
「アダムとイヴAdam und Eva」
グスタフ・クリムト
「接吻」の約10年後に描かれました。「接吻」のように豪奢な金箔が使われることはなくなりましたが、官能美は永遠にクリムトのトレードマークです。クリムト最晩年の集大成の1枚。クリムトは最後まで“愛”を描き、女性をこれ以上なく、美しく描き続けました。
こちらもクリムトの作品です。数多くの作品を世に出しているのですね!
未完に終わった「花嫁」グスタフ・クリムト
クリムト遺作のひとつである「花嫁」は製作途中。女性の官能的な恍惚感を広大な視点で表現しています。右側の人物は地面を離れて踊るような姿。
花嫁と題名が付けられているけど、中央の青い服の人が花嫁なのだろうか?
右側部分がこれから描かれるはずなのですが、足に違和感があります。なぜ足を広げているの?
いろんな疑問が出てくるからこそ、この作品が興味深く、謎めいていて…出来上がりが見たかった作品ですね!
「サヴォイ公ウジェーヌの肖像」
ヨハン・ゴットフリート・アウアーバッハ
マルティン・ファン・マイテンス
「二重肖像画」
マルティン・ファン・マイテンス
「ニコラウス・パルフィ・フォン・エルデット伯爵家」
マルティン・ファン・マイテンス
「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」 ジャック=ルイ・ダヴィッド
「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」
ジャック=ルイ・ダヴィッド
きゃ~!ナポレオン格好良い✨
ナポレオンとその軍隊が、1800年5月にグラン・サン・ベルナール峠経由でアルプスを越えようとする姿を理想化して描いています。
実際のアルプス越えは晴天の日のことであり、ナポレオン自身は軍隊に数日遅れてラバに乗ってガイドに案内されました。しかしこの絵のそもそもの目的はプロパガンダであって、ナポレオンがダヴィッドに求めたのは「荒馬を冷静に乗りこなす」姿だったのです。
「ルイーズ・フォン・ヴェルトハイムシュタインの肖像」
ニー・ビーダーマン 1845年
エゴン・シーレ
「家の壁」
エゴン・シーレ
「抱擁」
エゴン・シーレ
「エドゥアルド・コスマックの肖像画」
エゴン・シーレ
「マトンとヒヤシンスのある静物」オスカー・ココシュカ
マトン(羊肉)、亀、マウス、ヒヤシンス。実に雑多なものが描かれた静物画。ココシュカの最も重要な絵画。
「マルチェジネの小道」
ベルタ・フォン・タルノーツィ
「水浴する男たち」
エドヴァルド・ムンク
「感情」
フェルディナント・ホドラー
「早春」
アクセリ・ガレン=カレラ
「悪しき母達」
ジョヴァンニ・セガンティーニ
女性たちは、生まれてくる子どもを堕ろした母親であり、当時、堕胎罪を犯した者には、死刑が処せられました。母性を讃えるため、母性を持たない女たちを酷く罰する絵を描く、というのは、時代風潮もあったにせよ、やはりセガンティーニの屈折した思いゆえであったのでしょう。
「家族の肖像画」
ヨハン・クペツキー
「オリーブ山のキリスト」
ポール・トロガー
「ヨアヒムとアンナ」ポール・トロガー(右)
「キリストとカペナウムの百人隊長」フランツ・アントン・マウルベルチョ(左)
「サムソンの復讐」ヨハン・ゲオルク・プラッツァー(左)
「使徒ペテロとヨハネがラメを癒す」マルティーノ・アルトモンテ(右)
「伯爵とその家族」
フランソワ・ジェラール
「ワインと歌」
ヨーゼフ・ダンハウザー
ジュゼッペ・トミンツの絵画
「メードリング近くのブリュールの隣にある広い松の木」
ルートヴィヒ・カロルスフェルト
幹のすぐ隣には、旅をする旅人が杖にもたれかかっています。その後ろの左側には現場作業員の4人組が休んでいて、前景の右側には物乞いや中産階級の夫婦が座っています。
これらの人物は、職人、農民、物乞い、市民の 4 つの階級と、彼らの献身、勤勉、謙虚、慈善の美徳を象徴しています。
職人は幹にある聖母マリアの像を崇拝し、現場労働者は仕事をし休んでいるところ、物乞いは数人の都市住民から渡された施しを受け取っています。
この絵はロマンチックな風景描写の主要な作品の1つです。
「35歳の自画像」
フェルディナンド・ゲオルク・ヴァルトミュラー
絵画の他に彫刻も展示されています
「ニンフの半身像(ヴィヴィアン)」
フェルナン・クノップフ
リアルな人?今にも動き出しそう!
キリスト教に関係した展示も!
ここにもステンドグラス✨️
ベルヴェデーレ宮殿 退場
こちらは、庭園のある側の反対から見たベルヴェデーレ宮殿です。
基本情報
【アクセス】SCHLOSSBELVEDERE駅から徒歩1分
【営業時間】9時00分~18時00分
【入場料金】上宮17.7€、下宮15.6€
名残惜しいですが、最後にこの光景を目に焼き付けます。今まで絵画にはあまり興味がなかったのですが、今回「接吻」や「ユディット」を鑑賞して、美術って楽しい!って心から思いました
画家さんが何を思って、どんな時代背景で、生い立ちで、その絵を描いたのか考えていくとより楽しく感じました✨未完の「花嫁」は完成後の姿を想像してしまいました!